GLOSSARY・用語集
Clash 用語集:コア・プロトコル・振り分けルールまとめ
サブスクリプション、ノード、プロキシグループ、TUN——設定やチュートリアルで繰り返し登場する用語を、6つの分類ごとに簡潔な解説で整理しました。各用語カードにはアンカーリンクがあり、上部の分類ナビや五十音索引から直接アクセスできます。解説だけで解決しない場合は、記事末尾からトラブルシューティングやチュートリアルへ進めます。
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KERNEL / CLIENTS
コアとクライアント
コアは実際に働くエンジン、クライアントはそのエンジンに被せる運転席。この2層をまず区別できれば、以降の概念の大半が理解しやすくなります。
mihomo コア
Clash エコシステムで現在主流のコア。旧名は Clash Meta で、設定の解析・ルール照合・プロキシ接続の確立を担う。各種 GUI クライアントの大半はこの上に画面を被せる形で作られ、コア自体はコマンドラインで動作し、GPL-3.0 ライセンスでオープンソース化されている。「Clash のコア」と言うとき、現在は基本的にこれを指す。
Clash Meta 旧称
mihomo コアが改名前に使っていた名称。2023年以降段階的に使われなくなった。古いチュートリアルや設定ファイルに登場する Clash Meta、Clash.Meta の表記は、いずれも現在の mihomo を指す。サブスクリプション変換ツールの「Meta」オプションも同じコアに対応する。
Clash Verge Rev デスクトップクライアント
Windows・macOS・Linux のデスクトップで広く使われる GUI クライアント。mihomo コアをベースに、サブスクリプション管理・ルール切替・ログ確認までを画面上で操作できる。開発終了した旧 Clash Verge のコミュニティフォークとして開発が続けられており、デスクトップ環境での利用者数が多いクライアントの1つ。
Clash Plus 全プラットフォーム対応クライアント
Windows・macOS・Android・iOS を横断対応する GUI クライアント。同じく mihomo コアをベースに、各プラットフォームで画面と設定が統一されている。iOS 版は App Store 経由で配布され、公式サイトは clashplus.io。本サイトのダウンロードページでも各プラットフォームの先頭に案内している。
PROTOCOLS
プロキシプロトコル
ノードとクライアントの間で取り決められた暗号化方式と転送方式。サブスクリプション内の各ノードにはプロトコル名が付記されており、これらを見分けられれば設定を読むときに迷わなくなります。
Shadowsocks SS・プロトコル
初期から広く使われている暗号化プロキシプロトコル。パケット構造が単純で処理負荷が低く、サーバーアドレス・ポート・パスワード・暗号化方式の4要素で設定する。SSR などの派生も生まれており、現在も多くのサブスクリプションで SS またはその改良版が提供されている。設定フィールドは ss と記述する。
VMess / VLESS V2Ray 系プロトコル
V2Ray プロジェクトが提唱した2つのプロトコル。VMess は独自の暗号化とユーザーID検証を備え、VLESS は内蔵暗号化を廃止して外側の TLS に任せることで負荷を軽減する。いずれも WebSocket や gRPC などのトランスポート層と組み合わせて使われることが多く、設定フィールドはそれぞれ vmess、vless と記述する。
Trojan プロトコル
HTTPS 通信になりすますことを目的としたプロキシプロトコル。全通信を TLS で保護し、サーバー側はパスワードで接続を検証する。通常の Web アクセスと外見が近いため、高い偽装性が求められる場面で使われることが多い。設定フィールドは trojan と記述し、証明書と SNI の設定が必須。
Hysteria2 プロトコル
QUIC をベースにしたプロキシプロトコル。UDP 上で動作し、独自の輻輳制御を備えるため、パケットロスや遅延の多い回線で速度面の強みを発揮する。第2世代ではハンドシェイクや偽装方式が簡略化され、設定フィールドは hysteria2 と記述する。コアとノードの両方が対応している必要がある。
RULES / ROUTING
ルールと振り分け
Clash の核心機能:どの通信をプロキシ経由にし、どれを直結にするかは、すべてこのグループの概念によって決まります。
振り分けルール 仕組み
あらかじめ設定したルールに従い、各通信をプロキシ経由・直接接続・ブロックのいずれにするか決める仕組みで、Clash の中心的な使い方。ルールは上から順に評価され、最初に一致した時点で確定するため、記述順序が結果を左右する。判定基準にはドメイン、IP レンジ、プロセス名、地域情報などがよく使われる。
プロキシグループ proxy-groups
複数のノードや下位のプロキシグループをひとまとめにして1つの出口として扱う仕組み。設定では proxy-groups と記述する。手動選択の select、自動速度計測の url-test、フェイルオーバーの fallback、負荷分散の load-balance などのタイプがよく使われる。ルール内で指定する行き先の名前は、実はプロキシグループの名前そのもの。
GeoIP データベース
IP アドレスから国や地域を判定するデータベース。ルール内の GEOIP,CN のような記述はこれを参照している。コア起動時に mmdb や dat 形式のファイルを読み込み、ファイルが古いと新しく割り当てられた IP レンジの判定が不正確になるため、クライアントとともに更新が必要。
ルールセット rule-provider
同じ用途の大量のルールを別ファイルに切り出し、必要に応じて読み込む仕組み。設定では rule-providers で宣言する。数千行のルールをメイン設定に直接書き込むのに比べ、ルールセットは個別に更新したり必要なときだけ読み込んだりできる。サブスクリプションや振り分けテンプレートでよく使われる構成方法。
RUN MODES
動作モード
同じ設定でも、モードを切り替えれば挙動はまったく別物になります。トラブル対応の前に、まずクライアントが現在どのモードで動いているかを確認しましょう。
ルールモード Rule
3つの基本モードの1つ。ルールリストに従って各通信の振り分け先を判定する、日常使用でのデフォルト推奨モード。中国本土のサイトは直結、海外サイトはプロキシ経由といった振り分けは、まさにこのルールモードによって実現される。ルールリストの精度が振り分けの正確さを直接左右する。
グローバルモード Global
3つの基本モードの1つ。ルールリストを参照せず、すべての通信を GLOBAL プロキシグループで選んだ出口に送る。ノードの動作確認や、常に同一の出口を通す必要があるサービスへのアクセスに向く。長時間オンにすると中国本土のサイトへの接続もプロキシ経由になり、通常より遅くなる。
直結モード Direct
3つの基本モードの1つ。すべての通信をプロキシ経由にせず、一時的にプロキシをオフにしたのに近い状態になるが、クライアント自体は動作を続ける。問題がプロキシ由来かどうかを調べる際、直結モードに切り替えて比較するのが最も手早い検証方法。
TUN モード 仮想ネットワークカード
コア内部に仮想ネットワークカードを作成し、端末全体の通信を引き受ける動作方式。アプリ側のプロキシ設定に依存せず、システムプロキシに従わないプログラム(一部のゲームやコマンドラインツール)の通信も引き受けられる。管理者権限でドライバをインストールする必要があり、システムプロキシとの併用も可能。
システムプロキシ System Proxy
クライアントのローカルポートを OS のプロキシ設定に書き込み、システムプロキシに対応するブラウザやアプリを自動的に Clash 経由にする方式。システムプロキシ設定に従うプログラムにしか効果がなく、UDP やこの設定を参照しないソフトには適用されないため、その場合は TUN モードで補う必要がある。
CONFIG SYNTAX
設定文法
設定ファイルは YAML で書かれたテキストです。三段構成といくつかの重要なフィールドが分かれば、設定変更はもうブラックボックスではありません。
YAML 文法
Clash の設定ファイルで使われるテキスト形式。インデントで階層を表現し、コロンの後には必ずスペースが必要。最も多い設定ミスは Tab とスペースの混在やインデントのずれ——YAML はこの点にまったく寛容ではない。編集には構文チェック機能のあるエディタの利用がおすすめ。
設定ファイル Profile・サブスクリプション
1つの完結した Clash 設定。クライアント上では通常 Profile と呼ばれ、ノード・プロキシグループ・ルールの3つで構成される。サブスクリプションリンクから定期更新することも、手動でローカル管理することもできる。複数の Profile を切り替えて併用できるため、変更前にどの設定を触っているか必ず確認すること。
三段構成 proxies / groups / rules
設定ファイルの3つの重要セクション:proxies にはノード一覧、proxy-groups にはプロキシグループの定義、rules には振り分けルールを記述する。設定を読むときはまずこの3セクションを探し、トラブル対応もノード→プロキシグループ→ルールの順に確認する。
混合ポート mixed-port
HTTP と SOCKS5 の両プロトコルを同時に受け付けるローカルリスニングポート。設定フィールドは mixed-port と記述し、よく使われる値は7890。システムプロキシや手動でプロキシを指定するソフトは、いずれもこのポートを指している。ポートが使用中だとクライアントが起動しないため、ポートを変えるか占有しているプログラムを終了させればよい。
NETWORK BASICS
ネットワーク基礎
Clash 独自ではないものの、トラブル対応で避けられないネットワーク関連の概念を、頻出度の高いものから5つ選んで解説します。
ノード Node・サーバー
接続先となる1台のプロキシサーバー。設定では proxies セクション内の1エントリとして表現され、プロトコル・アドレス・ポート・認証情報を含む。サブスクリプションリンクの実体は、複数のノードとそれに付随するルールをまとめて配布したもの。品質は回線・負荷・通信事業者に左右される。
レイテンシ Latency・速度計測
クライアントがノードにテスト要求を送り、応答を受け取るまでの時間で、単位はミリ秒。この数値はその瞬間の1回の応答時間を反映するだけで、実際のダウンロード速度とは一致しない。レイテンシが低くても帯域が狭いノードでは、動画再生がやはりカクつく。ノード選びではレイテンシに加え、倍率や地域も併せて確認すること。
DNS リーク プライバシー問題
システムやブラウザがプロキシを経由せず通信事業者の DNS に直接問い合わせを送り、アクセス履歴が現地ネットワークに露出してしまう現象。Clash の nameserver 設定や Fake-IP モードは、ドメイン解決を引き受けてこの抜け道を塞ぐために使われる。
Fake-IP DNS モード
コア内 DNS の動作モードの1つ。ドメインの問い合わせに対してまず 198.18.x.x 帯の仮アドレスを返し、実際の接続時に本来のドメイン名でルール照合を行う。先に解決してから振り分けるという待ち時間を省略できるため、ページの表示が明らかに速くなり、多くのクライアントでデフォルトの強化モードとなっている。
UDP 転送 UDP Relay
UDP 通信もプロキシ経由で転送できるようにする機能。音声通話、一部のゲーム、QUIC プロトコルがこれに依存する。ノードとコアの両方が対応し、udp オプションを有効にする必要がある。片方でも対応していないと UDP が黒く失敗し、Web は開けるのに音声が通らないといった症状になる。
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用語解説はあくまで入り口です。まだ問題が解決しない場合は、症状別にトラブルシューティングの各章を確認してください。クライアントを導入したばかりの方はクイックスタートガイドで一通りの流れをつかめます。よくある質問やサブスクリプションの問題はヘルプセンターを、まだクライアントを持っていない場合はダウンロードページからお使いの環境向けを入手してください。